いわゆる「終活」を知っている人はたくさんいても実際に終活をしている人はわずか*7%(「脳活新聞」アンケート調査より)と言われています。終活は自分事に思えないとか、なんとなく自分が死んだ後のことなんて、残っている家族に任せればいいと思っていませんか?

そんな「よく聞いているけどなんだかよくわからない」終活で行うべき3つ事、終活と同時に考えるべき【終の棲家】と【自分の介護】についてなどの疑問が解決できます。
「脳活新聞」

終活とは?

終活(しゅうかつ)とは「人生の終わりのための活動」の略です。

2010年の新語・流行語大賞にノミネートされた週刊朝日誌の造語であり、人生の最期を迎えるにあたって、葬儀やお墓の準備を始めることをいいます。


終活
故・金子哲雄さん(週刊朝日編集部/流通ジャーナリスト)
人生の最期を自分の望むように自分で準備すること。102日、41歳で急逝した流通ジャーナリスト金子哲雄さんは、生前から自分の通夜や葬儀・告別式、墓の準備を万全に進めていた。「終活」という言葉は、週刊朝日で2009年連載された「現代終活事情」で知られるようになり、『現代用語の基礎知識』には2010年版から登場。

終活でやっておくべき3つのこと

終活は、気になった今がはじめ時です。「いつかはやってみたい」と思っていても、なかなか始められるものではありません。「いつか」は「今」です。ここでは最低限やっておきたい終活で行うべき3つの項目について解説します。


エンディングノート

エンディングノートは、自分の想いを見つめ直して、大切な人へ伝えるために活用するノートです。自分の想いを文字にすると、「これから」何をしたらいいのか明確になります。一度にすべてを決めなくてもいいですし、ひとりでも、家族と一緒に共有しながらでも、色々な想いをカタチにしてみましょう。もしもの時に役立てることが出来ます。


エンディングノートを選ぶ5つのポイント

エンディングノート

ノートによって記載する内容や記載できる量・項目に違いがあります。その為に何を書き残したいのか明確にする必要があります。

  1. これまでの人生をじっくりと振り返ってみたい、自分史タイプ
  2. 亡くなった後が心配な方は、資産・葬儀・墓・遺言などが充実したタイプ
  3. 銀行口座・保険・クレジットカード・各種IDやパスワードなどの備忘録タイプ
  4. 何度も見直したい方は、数年ごとに書き込めるタイプ
  5. 家系のことを伝えたいなら、家系図のあるタイプ

終活のノウハウや断捨離のアドバイスなど解説がついているタイプや、著名人の名言やコラムが付いているタイプのノートもあります。


相続

相続財産とは、貯金・不動産・株などの有価証券・生命保険・土地・建物・宝石・絵画・車などのほか、借金も相続財産となります。

財産イメージ

自分には「財産なんてたいしたものはないから、特に相続なんて必要ない。」と思う人もいると思いますが、相続で揉めるほとんどの家の遺産額は、1000万円以下の家が33%、さらに5000万円以下になると75%となり、遺産額が少なくても相続人の間で揉めることが多いことがわかります。また、次の項目のうち、ひとつでも当てはまればあなたが亡くなった後、相続が争続(相続で揉めること)になるかもしれません。

  • 現在住んでいる家しか相続財産が無い
  • 親族が多い(お金に困っているひとがいる)
  • 親が認知症になった
  • 夫に非摘出子がいる
  • 離婚経験があり、前配偶者との間に子供がいる
  • 生前贈与を行った

エンディングノートも争続を防ぐための一つの方法ですが、法的な効力はありません。その場合には遺言書を書くことをお勧めいたします。

遺言には自筆証書遺言と公正証書遺言があり、違いを表にまとめました。



自筆証書遺言書公正証書遺言書法務局における自筆証書遺言書保管制度
作成方法遺言者が、日付、氏名、財産の分割内容等全文を自書し、押印して作成。遺言者が、原則として、証人 2 人以上とともに公証人役場に出かけ、公証人に遺言内容を口述し、公証人が筆記して作成。遺言者が、日付、氏名、財産の分割内容等 全文を自書し、押印して作成。
メリット・手軽に作成できる。 ・費用がかからない。・遺言の形式不備等により無効になるおそれがない。 ・原本は、公証人役場にて保管されるため、紛失・隠匿・偽造のおそれがない。 ・家庭裁判所による検認手続が不要で ある。
・手軽に作成できる。 ・原本は、法務局にて保管されるため、紛失・隠匿・偽造のおそれがない。 ・家庭裁判所による検認手続が不要である。 ・遺言者の死亡後、法務局から相続人等に遺言書を保管している旨の通知がされる。 ・保管の手数料は 1 通 3,900 円
デメリット・文意不明、形式不備等により無効となるおそれがある。 ・遺言の紛失・隠匿・偽造のおそれがある。 ・家庭裁判所の検認手続が必要である。 ・発見してもらえないおそれがある。・作成までに手間がかかる。 ・費用(注)がかかる。 (注)費用の目安として、1億円の遺産を3人の相続人に均等に与える場合は、約10 万円の手数料が必要となる。
・文意不明等により無効となるおそれがある。

葬儀・墓について

近年は少子高齢化や一人暮らしなどの生活スタイルの変化によって、家族葬・直葬・散骨・樹木葬など、葬儀は多様化が進んでいます。

家族葬参列者の人数を減らし近親者のみで行う葬儀です。
直葬通夜や告別式などの儀式を一切行わず、直接火葬場で弔う葬式のことです。密葬や火葬式と言われることもあります。
散骨火葬後粉末化した遺骨を、野山や海などにまく葬法のことをいいます。
樹木葬遺骨を埋蔵し、樹木を用いた正式なお墓で、登記上「墓地」として認められた場所でしか行うことができません。

本来葬儀は残された家族が故人を偲ぶために行われるので、どんな葬儀にしたいのか、家族としっかり話し合うことをお勧めします。とはいえ遠方など離れていてなかなか話し合えないこともあります。その際に役立つのが、やはりエンディングノートです。本人の希望が書いてあれば、希望通りになる可能性もあります。

終活と同時に考える【終の棲家】と【自分の介護】

終の棲家

【終の棲家】とは、生涯を終える時まで生活するための住居です。いつ自分がどんな状態になるかはわからないですが、その時に困らないようにしたいですね。特に認知症などの病気や不慮の事故による身体障碍状態など、一人で身の回りのことが出来なくなり介護が必要になる場合も想定しておきます。

老後の生活を支える住まいの種類は大別すると、民間施設と公的施設があります。要介護度によって入居できる施設も違いますし、必要な費用もさまざまです。夫婦同室で入居可能な施設もあれば、別々にしか入居出来ない施設もあります。

入居施設を選ぶ際は、かかる費用だけではなく、どんなサービスが受けられるのか事前に知っておきましょう。

入居施設を決める際の3つのポイント

  1. 自分の介護度と同等の人の割合
  2. 介護度が進んだ場合でも同じ部屋で過ごせるかどうか
  3. 元気なうちに入居ができ、比較的自由に過ごせるかどうか

以下の当サイトの記事にも「終の棲家」選びのヒントがあります。


「老後の生活を支える「住まい」について。種類ごとの特徴と注意点とは」

「老後の生活」をどこで過ごすかは、高齢者本人だけではなく高齢者の家族にとっても大きな関心事となっています。ここでは老後の住まいについてご紹介しています。

  • 老後の生活は「住まい」で変わる?
  • 老後の住まいには「公的」と「民間」がある
  • 老後の住まいを選ぶポイントと注意点

「費用だけではない!正しい介護施設の選び方とは」

ひとくちに介護施設といっても、その種類はさまざまです。いわゆる「特別養護老人ホーム」をはじめ「介護付き有料老人ホーム」「サービス付き高齢者向け住宅」などが代表的ですが、利用の条件やサービス内容は施設の種類によって異なります。こうした介護施設の中から、ご自身や家族のニーズを満たす「最適な施設」を選ぶにはどうしたら良いでしょうか?今回は正しい介護施設の選び方について解説していきます。

  • 介護施設によって費用はさまざま
  • ここに注目!最適な介護施設の選び方
  • 自由度の高さで選ぶならサービス付き高齢者向け住宅がオススメ

当サイトでは、【終の棲家】の一つの選択肢として、安心して老後の生活が送ることができるサービス付き高齢者向け住宅の紹介をしています。

まとめ

「終活」は人間の尊厳を守るための活動と言っても過言ではありません。今まで自分がどう生きてきたのか、そしてその最期の締めくくりをどうしたいのか、自分でえらんで決める事です。

終活は決して後ろ向きなことではなく、これからの人生を自分らしく楽しく生きるために選択していく方法です。