「老後は旅行に行ったりゆっくり過ごしたい」と多くの人は思うことでしょう。特に我武者羅に働いてきたビジネスマンにとっては、定年を一つのゴールとしている方も多いかと思います。しかし、いざ定年退職したら燃え尽き症候群ということもあるかもしれません。そうならないためにも、老後を幸せに暮らすための4つのポイントについて解説していきたいと思います。

老後の暮らしを幸せにする「ひと」との交流

楽しく会話をする高齢者の様子

老後の幸せはもちろん人生を通して出会った「ひと」で決まるといっても過言ではありません。しかし、ここで重要なのは「友人の数」ではなく、「身近な人との関わり合い」であるということです。実際、内閣府の調査(平成27年版高齢社会白書)によると、一人暮らしの高齢者の「現在の楽しみ」について53.1%は「仲間とのおしゃべり」と回答しており、「毎日会話している」人ほど、楽しみが多いという結果がでています。

このように幸せな老後を過ごしている人ほど、人との繋がりを大事にしている傾向が高いことが分かります。人との繋がりを持つためには、「家族や親戚」、「近所や趣味仲間」、「同級生や仕事仲間」が一般的ですが、それ以外にもボランティア活動を通じて社会と繋がりを持つことができ、幅広い人脈を広げることができます。そういった活動も是非、検討してみてください。


対面だけじゃないオンラインの交流で老後の幸せ倍増

スマホを扱う高齢者の様子

また、非対面のオンライン上での交流はウィズコロナ時代において必須とも言えます。現にzoomやテレビ電話を利用したオンライン面会を取り入れている病院や介護施設が増えてきています。

「よくわからないから」といってスマートフォンなどのIT機器から離れてしまうのは機会損失とも言えます。例えば、ご主人を亡くし76歳からtwitterを始め、今では10万フォロワー超えのツイッターおばあちゃんことミゾイキクコさんをご存知でしょうか?

SNSを臆せず利用できれば、ミゾイさんのように老後もSNSを通して沢山の「ひと」との交流を楽しむことができます。

足腰は重くなっても「もの」は軽やかに

老後の人脈「ひと」は財産です。では「もの」はどうでしょうか?

何か手助けが必要になった時、「ものが多くて人に見せるのが恥ずかしい」と人を呼べなくなると困ります。

  • 使わなくなった大きい家具
  • 大量の食器類
  • ファミリー向けの大型乗用車

こういった大きな持ち物は元気なうちに断捨離、もしくは必要なサイズに買い替えましょう。
ものが多いと維持や管理にムダなお金がかかるため、断捨離は節約にも繋がります。

突然の入院や同居、転居に備えた身軽な環境を整えておきましょう。

「お金」の不安解消が老後の幸せへ

老後2000万円問題などが取り沙汰されており、「お金」は老後の一番の不安要素とも言えるでしょう。内閣府の調査(平成27年版高齢社会白書)によると、毎月の収入が高いほど幸福度が高いという傾向がみられます。お金は幸せの必須要件ではありませんが、不幸にならないための絶対要件とも言えるでしょう。

一人暮らしの高齢者の幸福度の図

まずそのためには、いまさらと思わずに自分の支出を見直しましょう。一部の資産家を除いては、老後の収入は限られます。そのため、収入が変わらないのであれば、支出を減らしていくことが重要です。

特に固定支出=通信費、保険料などは定期的に見直すことをオススメします。

その他にも、国が補助してくれる支出があります。介護保険制度や年金のしくみについて確認しておくことも重要です。介護保険制度についてはこちらに詳しくまとめてあります。

是非ご覧ください。


また、老後資金への不安から、十分な知識が無いまま民間の保険にあれこれ加入したり、ハイリスクな投資で資金を失ってしまっては本末転倒です。資産の防衛もしっかり行いましょう。

昨今、「オレオレ詐欺」、「助成金詐欺」、「ロマンス詐欺」(高齢独身女性を狙った結婚詐欺)などの高齢者を狙った悪質な詐欺も横行しています。

怪しいと思ったら警察や身近な「ひと」に相談し老後資金を守りましょう。

幸せな老後生活に欠かせない安心安全な「住まい」

自宅でくつろぐ高齢者の様子

雨風凌げれば幸せ!とは言い切れないのが老後の「住まい」選びです。
老後に関わらず「住まい」といえば「持ち家」か「賃貸」かが論点になります。

ローンを完済することで個人資産になるメリットがある持ち家か
環境の変化に合わせて住み替えやすい賃貸か

高齢者の中には持ち家を売り、アパートやマンションなどの賃貸へ住み替えを望む人が増えています。
その理由は「持ち家は孤独死や緊急時に誰にも気付いてもらえない可能性が高いので不安」だからです。

しかし、孤独死等の問題から大家側が高齢者の入居を断るケースが少なくありません。

こういった現状から近年需要が増えているのが「サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)」です。

  • 今のところ介護は必要ないけど安否確認や生活相談のサービスは受けたい
  • サービスを受けつつも自由度の高い生活を送りたい
  • 同年代の住人とのつながりを持ちたい

そんな方は一度「サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)」への住み替えを検討してみてはいかがでしょうか?

住まいは老後の幸せや満足感を大きく左右します。どんな家に住むかは重要ですが、周りに助けてくれるひとがいるか、いざという時に目が行き届く環境かという視点も、老後の幸せの大切なポイントです。

幸せな老後のために今からできること

老後の幸せに必要な「ひと」、「もの」、「お金」、「住まい」4つのポイントをご紹介させていただきました。幸せの形は人の数だけ存在します。自分に取っての「幸せ」とは何なのか、老後に限らず一度ゆっくり幸せについて考えてみてはいかがでしょうか?